マレーシアの自動車保険【特約・搭乗者傷害保険編】

自動車保険

前回の記事はマレーシアの自動車保険の入門編「基本補償」について説明致しました。日本と同じように強制保険として対人賠償があり、この対人賠償と対物賠償、車両賠償の三つがセットになっており、セットとして基本補償に入るのが一般的ということでしたね。

今回は、追加の補償として加入すべきかどうか迷う方のために「各種特約」「搭乗者傷害保険」について説明します。

基本補償には8つの特約を付けることができます。

また、自動車保険とは別に、搭乗者傷害保険を付けることができます。(96年までは搭乗者傷害保険は特約扱いになっていましたが、マレーシアの保険制度の変更により、特約ではなく、別の保険として現在存在しています)。

もちろんどちらも任意であり、特約も搭乗者傷害保険も加入しないということも可能です。

自分のライフスタイルにあったオプションを選んで、あなたにピッタリの自動車保険をご利用ください。

 

先ほどご説明した通り、基本補償には、8つ特約があります。8つのと特約について内容のほかに、補償例・保険料・おすすめ度も記載しておきますので、参考にしてくださいね。

 

【内容
マレーシアで事故が起きた場合、日本のように過失が6:4や3:7の割合になるというようなことはありません。10:0でどちらに過失があるかはっきりしています。
この特約では、過失がご自身にあり、運転者以外の同乗者が死亡またはケガをした場合に、運転者が被害者に対して負う法律上の賠償分をカバーします。

【補償例】
運転手の運転ミスで同乗していたお客様がケガ。運転手がお客様に賠償責任を負うことになった場合、その賠償額を補償します。(賠償責任に対しての補償。ケガによる治療代として保険金をもらいたい場合は搭乗者傷害保険加入が必要です。

【保険料】
年間およそRM30 ~ RM50程度
(金額はPERODUA車の場合。車両評価額による。)

【おすすめ度】★★★★★
ほとんどの方が利用。特にご友人、お客様などを乗せる場合は必須

 

【内容】
同乗者の不注意によって第三者に人的または物的損害を与えた場合にカバーします。

【補償例】
後部座席に乗っていた息子が突然ドアを開け、後方から走ってきたバイクと接触し、バイクに乗っていた人がケガした場合、その賠償額を補償します。

【保険料】
年間RM7.50(固定)

【おすすめ度】★★★★★
保険料も安く、ほとんどの方が利用されています。

 

【内容
窓ガラスに発生した損害をカバーします。通常この特約を付けなくても、車両損害として損害をカバーしてくれますが、保険金額を受け取ると、次年度の割引がゼロになります。この特約を付けると、窓ガラスの修理のために保険金も受け取っても、次年度も無事故割引が使えます。

【補償例】
前方を走行している車のタイヤから石が飛んできて、フロントガラスにヒビが入った場合や
道路の脇で草刈りをしており、その草刈り機の刃が石を巻き込み、石が飛び散ってフロントガラスに当たって破損した場合にガラス修理分を保証します。

【保険料】
年間RM120 ~ RM180程度
(金額はPERODUA車の場合。車両の窓ガラス価格の15%)

【おすすめ度】★★★★
多くの方が利用。マレーシアでは日本よりも飛び石による窓ガラスの破損が多いです。

 

【内容
基本補償では運転者を二人まで登録することができます。もしこれ以外の人が運転すると、免責金額が、RM400 かかります。この特約に加入されると、誰が運転しても免責金額がゼロになります。

【補償例】
夫婦二人を運転者として登録。友人に車を貸したときに、友人が事故。自分の車を修理にRM3,000以上かかることなった。通常、RM400は自己負担で、それ以外を保険金としてもらう予定だったが、この特約に入っていたので、自己負担でゼロで、保険金をもらうことができた。

【保険料】
個人RM15 / 法人 RM50 (固定)

【おすすめ度】★★★
登録予定の二人のドライバー以外、友人や仕事仲間などが運転する機会がある方に

 

【内容
洪水、暴風雨、台風、ハリケーン、噴火、地震、地滑り等の自然災害による損害を補償します。

【保険料】
車両評価額の0.35%

【おすすめ度】★★
(雨季の時期の洪水や崖崩れが心配な地域にお住いの方に)

 

【内容事故で修理時、契約時に定めた定額の日額給付金を補償します。
(修理は保険会社指定の修理工場、代車を使うかどうか、また修理期間は関係なし)

【補償例】
事故で車を修理。修理に5日かかった。その間レンタカーは使わなかったが、年間RM35払う特約に入っていたので、RM350(一日あたりRM50×7日間)保険金をもらうことができた。

【保険料】
一日にもらえる補償金額と日数による。例えば、1週間、一日あたりRM50が支給される場合(総額RM350支給)は年間RM35。3週間、一日あたりRM200が支給される場合(総額RM4,200)は年間RM420

【おすすめ度】★★

 

【内容
事故等で車内のアクセサリー(カーステレオ・エアコン等)が破損した場合に、補償します。通常この特約を付けなくても、車両損害として損害をカバーしてくれますが、保険金額を受け取ると、次年度の割引がゼロになります。この特約を付けると、保険金も受け取っても、次年度も無事故割引が使えます。

【保険料】
アクセサリーの 金額の 15%

【おすすめ度】★★

 

【内容
ストライキ参加者の暴行、暴動などによる損害を補償します。

【保険料】
車両評価額の0.3%

【おすすめ度】

 

 

「搭乗者」とは、運転者を含む自動車に乗っている人のことを指します。搭乗者と間違えやすい「同乗者」は運転者以外の同じ自動車に乗っている人のことを指します。

搭乗者傷害保険(Premier Drivesafe Personal Accident Insurance)は、保険契約の対象の自動車に搭乗中の運転者や同乗者が 、事故によりケガをしたり死亡したりした場合に保険金が支払われる保険です。また、これはあくまで自動車にたいして契約している保険ですので、対象自動車の事故のみが対象となります。別の車に乗って事故に遭ってケガしても、保証されません。

【おすすめ度】★★★★★
この保険は強制保険ではありませんが、是非加入されることをお勧めします。

 

前回記事でも書きましたが、基本補償には運転者や同乗者のケガの補償は含まれていません。しかし、この搭乗者傷害保険では、事故の原因が誰であろうとも、運転者と同乗者のケガや死亡に対して補償してくれます。

「自分は安全運転をしている」と過信するのは良くないことですが、日本人がマレーシアで事故にあう場合は、自分は安全運転していたのに他車から衝突されるというケースが多いのも事実です。

加害者からの賠償がスムーズに受けられなければ実費負担になります。搭乗者傷害保険に入っていれば、怪我の症状が確定次第、保険金を受け取ることができるので、大切なご家族や友人が万が一病院に通わなければならなくなった場合の備えとしてもお勧めします。

また、運転者自身、同乗者の怪我の補償以外にも、上限はありますが、走行不能となった車の代替としてレンタカーを借り入れるための費用や止むを得ず生じる交通費用や宿泊費も補償されます。

 

東京海上マレーシアでは3つの搭乗者傷害保険のプランを提案しています。

当然のことですが、年間保険料が高ければ高いほど、有事の際に手厚い補償を受けることができます。

下記プラン以外にも、お客様のご都合やご予算に合わせた料金プランも提案することが可能です。


特約と搭乗者損害保険について説明してきましたが、いかがでしたが。

もっと自動車保険について知りたい、自分に合った保険を教えてほしいといった方は、ご気軽にこちらまでご相談ください。

保険は万が一に備えるもの、保険を使わないことが一番ですが、「もしマレーシアで事故に遭ったら・・・」次回は、事故対応について説明いたしますのでお楽しみに。