前回は、マレーシアの車事情【PERODUA編】の記事を掲載致しました。
今でこそPERODUA(プロドゥア)はシェア率40パーセントとマレーシア市場最大手のメーカーですが、マレーシア国民に車を身近なものにし普及させたのは間違いなく今回ご紹介する「PROTON(プロトン)」です。
名前の由来はマレー語のPerusahaan Otomobil Nasional(マレーシア国産車メーカー)の略称で、マレーシアの勇気、強さと威厳の象徴であるマラヤンタイガーをシンボルとしたエンブレムが特徴です。
マハティール首相(当時)主導の下、マレーシア人の手によって車を開発しようということで、1985年に三菱商事・三菱自動車が30%が出資し、DRB-ハイコム(当時はHICOM)との合弁会社として「PROTON(プロトン)」は設立されました。三菱自動車の技術援助を経て、税制により大きく優遇し低価格を実現したこともあり、マレーシア第一の国産車メーカーとして瞬く間に市民権を得ました。
前述の通り、当初は、三菱車をベースモデルにした車を生産するなど三菱自動車と密接な関係を続けていたものの(2005年資本提携解消)、業績の向上に伴いシトロエン・AXなど三菱車以外をベースにした車種の生産も開始、次第に独自色を強めました。そして1996年にはイギリスのロータス・グループ・インターナショナル社を買収。2002年にはマレーシアでのシェアは60%にも達し、翌年にはイギリスのサッカークラブのメインスポンサーになるほどの勢いを誇っていました。
2006年からはマレーシア第二の国産車メーカーであるプロドゥアの大躍進により、マレーシア市場最大手の座は譲りましたが、未だマレーシア国民に愛されるマレーシア国産車メーカーです。
それでは、PROTON(プロトン)が販売している車を見てみましょう。
PROTON(プロトン)には現在SAGA(サガ)、PERDANA(ペルダナ)、PERSONA(ペルソナ)、EXORA(イグゾラ)、IRIZ(アイリス)、X70(エックスセブンティー)の6つの車種があります。
マレーシア国産車第一号!
1985年から続くロングセラーのコンパクトセダン!
・排気量:1332㏄
・定員:5名
・色:ホワイト、シルバー、ダークグレー、ブラウン、レッド
・新車販売価格:RM35,800~
・全長4,331mm全幅1,689mm全高1,491mm
サイズ感としては、トヨタ カローラ アクシオとほぼ同程度の大きさ
1995年発売開始の政府公用車!2016年には一般向け販売も開始!
・排気量:1997㏄, 2354cc
・定員:5名
・色:ホワイト、シルバー、ダークグレー、ブラック、レッド
・新車販売価格:RM104,000~
・全長4,999mm全幅1,845mm全高1,475mm
サイズ感としては、トヨタ クラウン マジェスタとほぼ同程度の大きさ
2007年発売開始よりマイナーチェンジを繰り返し、
室内の広さや快適さを実現!
・排気量:1597㏄
・定員:5名
・色:ホワイト、シルバー、ダークグレー、ブラウン、レッド
・新車販売価格:RM44,600~
・全長4,362mm全幅1,722mm全高1,554mm
サイズ感としては、トヨタ カローラ アクシオとほぼ同程度の大きさ
2009年発売開始のマレーシア初のミニバン!
・排気量:1561㏄
・定員:7名
・色:ホワイト、シルバー、ダークグレー、ブラウン、レッド
・新車販売価格:RM59,800~
・全長4,610mm全幅1,809mm全高1,691mm
サイズ感としては、トヨタ プリウスαとほぼ同程度の大きさ
2014年発売開始!PERODUA MYVIに対抗する
PROTONのコンパクトカー!
・排気量:1332cc, 1597㏄
・定員:5名
・色:ホワイト、シルバー、ダークグレー、ブルー、レッド
・新車販売価格:RM39,700~
・全長3,945mm全幅1,722mm全高1,554mm
サイズ感としては、トヨタ ヴィッツとほぼ同程度の大きさ
2019年発売開始、プロトン復活とマレーシアSUV流行の火付け役!
・排気量:1799㏄
・定員:7名
・色:ホワイト、シルバー、ライトグレー、ダークグレー、レッド
・新車販売価格:RM94,800~
・全長4,519mm全幅1,831mm全高1,694mm
サイズ感としては、マツダ CX-5とほぼ同程度の大きさ
今回はプロトンをご紹介いたしましたが、いかがでしたか。
プロトンは業績の低迷が続き、2016年以降ホンダやトヨタにも販売台数で遅れをとっていましたが、2019年には再び2位に返り咲きました。
その要因としては、2017年に中国の自動車大手、吉利汽車の親会社である浙江吉利控股集団が株式の49%を取得して以降、人材・方向性・コスト・品質・産業チェーン・工場改修・新製品開発の7つの面から包括的に変革を行ったことが大きいでしょう。
現在は、 ハイブリッド車(HV)やそれに続く電気自動車(EV)の開発に力を入れており、その独自のテクノロジー力は業界からの評価も高く、今後の展開も楽しみな自動車メーカーです。
フリマハリマオでは、PROTON(プロトン)の各車種の中古車が出品されていますので、ぜひご覧ください。