マレーシアでの事故対応

事故対応

前の記事ではマレーシアの自動車保険について【基本補償編】【特約・搭乗者損害保険編】の2回にわたって説明してきました。保険をかけて、事故に備えておくことも大切ですが、事故にあってしまった時の対応も事前に知っておくとさらに安心ですね。事故にあう場所が日本であっても、落ち着いて対応することは難しいですが、さらに日本語が通じす、習慣が違う異国の地、ここマレーシアで事故にあってしまったらと不安になられる方も多いでしょう。

ご存じの方も多いかと思いますが、マレーシアは東南アジアでも交通事故の多い国です。原因はスピード違反・急な追い越し・信号無視・バイクのジグザグ走行と様々ですが、すべてに共通するのが交通マナーの悪さです。どれだけ自分が安全運転をしていても事故に絶対に合わないということはありません。もらい事故など避けようがない場合があります。

この記事では、マレーシアで事故が起きたときにどうすればいいかを説明します。マレーシアで運転する人は必読です!

事故後は気が動転して更なる事故につながりやすいです。「起きてしまったものは仕方がない」と割り切って、気持ちを落ち着かせ、車を左に寄せるなどまずはご自身の安全の確保を最優先させましょう。

万が一、相手が重傷を負っているような大事故の場合は安全な場所に車を停車した後、怪我人を救助し、すぐに999番】に電話してください。(マレーシアの緊急ダイアルはすべて999番に集約されています。一旦緊急ダイアルへ連絡すると、マレーシアテレコムにつながり、職員が内容を聞いて消防や警察へと接続してくれます。)

車を安全な場所に移動させた後は、必然的に車から降りて、事故の相手と話すことになると思います。ここで重要なのが、車から降りるときは車のドアの鍵を必ず閉めることです。事故で停車中に車を盗まれるという事件も過去にはあったそうです。

 

 

例え自分に過失があったとしても、絶対に過失を認めてはいけません。日本人は謝罪から話を進めることが多いですが、ここはマレーシア。後々思いがけない不利な状況に立たされることも考えられます。

まずは、お互いの名前・連絡先を交換しましょう。相手のIDを写真で残しておくのがベストです。ナンバープレート、双方の車体の破損箇所なども詳しく撮って残しておきます。事故現場の風景・時間なども写真に撮っておくと尚良いです。

マレーシアでは、事故相手が示談をすすめてくることが多いです。これには保険料が高くなるから、面倒だからといった様々な理由が考えられます。本当に軽微な事故であれば示談でも良いかもしれませんが、基本的に示談はおススメしません。

手間がかかりますが示談で済ませず、警察へ届けて、賠償の交渉は保険会社に任せたほうが安心です。ポリスレポートがないと、例え自分に過失がない場合でも保険は利用できません。

 

通常、契約している保険会社に電話すれば、事故後にどうすれば良いか教えてくれます。万が一に備えて、日本語でも対応可能な日系の保険会社をご利用されるのをおすすめします。また、保険会社とその保険会社が提携しているレッカー会社の電話番号を携帯に入れておくのも賢明です。

事故が起きたとき、どこからともなく”流し”のレッカー車サービスの人間がやってきます。流しのレッカーサービスとは、電話で駆けつけるタイプのサービスではなく、道路を走り回っているサービスのこと。出くわせば迅速に対応してもらえて一見良さそうに思えますが、非常に高額な料金を請求され、そのまま車を盗まれるケースもありますので、絶対に利用しないでください。

保険会社のレッカーサービスは遠方でない限り無料或いは大変安く対応してくれます。

ちなみにタイガー商事では、事故・故障時のカスタマーセンター(日本語対応)、警察、大使館、日本語対応の病院等の緊急連絡先が書かれた東京海上のカードを保険契約時にお渡ししています。日本語対応ならもしもの時も安心ですね。

人身事故の場合はその場で警察(999番)に連絡することとなりますが、物損事故の場合は、事故が起きてから24時間以内に所轄の警察に自ら車をもって行き、「ポリスレポート」を作成してもらいます。入院など特別な事情がない限り、24時間以後は、RM300以下の罰金が科せられます。

注意しなければならないのは、事故現場の管轄の警察に行かなければならないという点です。自宅に近いからと事故現場とは別の管轄の警察に行っても意味がありません。また、ここでいう警察とは交通警察(TRAFFIC POLICE)のことですのでお間違えのないように。普通の警察署に行っても交通事故のポリスレポートはもらえません。

ポリスレポートを取得したら後は各保険会社の指示に従ってください。

 

当然のことですが、マレーシアにおいて日本人は外国人です。ここマレーシアでは、事故が起きた際、野次馬のマレーシア人はもちろん警察も、自国民であるマレーシア人の味方をすることが多いのが現実です。(もちろん全員が全員そうだというわけではありません。)

例え自分に過失がなくても、気づいたら自分に過失があることにされていたというケースも実際にあります。

そこで是非おすすめしたいのがドライブレコーダーです。(マレーシアでは一般的にDashcamと言われています。)

事故に巻き込まれてしまったときに、自分に過失がないことが映像によって証明できますし、当て逃げに遭った場合、車両を映像でとらえることができるでしょう。また、当たり屋などの犯罪に巻き込まれた時にもその効果を発揮しますし、お金をせびるのが目的で職務質問をしてくるような悪徳警察官に対する抑止力にもなります。

ドライブレコーダーは様々な種類があり、中にはほとんど使いものにならないようなものがあったり、或いは取り付け方法によっては本来の効果を欠いてしまったりするものがあります。マレーシアでは安価で購入することもできますが、耐久性など問題がある場合も多いので、信頼できるメーカーのものを購入するのがおすすめです。

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当社では、ドライブレコーダーに関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

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今回の記事では、事故対応について説明してきましたが、いかがでしたが?万が一交通事故にあってしまった場合、この記事を読んだことを思い出し、少しでも皆様が落ち着いて行動できれば幸いです。

今後も皆様のマレーシア生活にお役に立てる情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします。